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花のお江戸の舌磨き

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江戸時代の錦絵の中には、房楊枝(ふさようじ)の柄を使って舌苔(ぜったい)を除去している珍しい女性の姿が描かれています。

江戸の昔より「口臭」は人々の悩みであったようです。

日本における歯ブラシの起源は、6世紀の仏教伝来と共に伝えられた『歯木』と言われています。
その歯木が脈々と伝わり、江戸時代には『房楊枝(ふさようじ)』という今の歯ブラシのような形となりました。

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『房楊枝』は、かわ柳などの小枝の先端を煮たものをハンマーなどで叩き、剣山のような道具で木枝の先端をすき、木の繊維をやわらかくほぐして扇状にしたものです。
反対側の柄の部分は鋭利に削られてあり、舌の汚れを落とす『舌こき』になっています。

舌の汚れは口臭の原因の6割を占めるとも言われています。
食べカスや角質、白血球の死骸などが舌の表面に溜まったもので、舌を出した時に表面に白く見えるのが舌苔です。

 

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舌苔は多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、たばこ・コーヒー・アルコールといった嗜好品・刺激物の摂りすぎや体調不良による口内の自浄作用の低下によって厚くなります。

口臭対策などで、ここ数年マスコミなどでも取りあげられることが多くなった「舌磨き」。
実際には口臭を主訴に来院される大半の患者さんには、この舌磨きにより症状が軽減しています。
しかし、舌磨きは間違った方法で行うと、効果がないばかりか、舌に傷を付け、逆効果となってしまいます。

そこで今回は効果的な舌磨きについて簡単にご説明させていただきます。

【舌によくない磨き方をしていませんか?】
舌磨きを始めたばかりの方にありがちなのは、歯ブラシで強く擦ってしまうケース。
舌はとてもデリケートですので、力強く磨いてしまうとすぐに舌の粘膜が傷付いてしまいます。
結果として、汚れや細菌が付着しやすくなり、以前よりも口臭がひどくなってしまうのです。
同様に、歯磨き粉の使用も舌にとっては成分等の刺激が強過ぎて、逆に粘膜を傷付けしまいます。

【舌磨きはどれくらいやればいいの?】
舌磨きの効果を出すためには、舌を傷付けないためのバランスが大切です。
そのため、舌磨きは一日一度にしましょう。
一日に何度も磨いている方もいらっしゃいますが、あまり過剰に舌磨きを行ってしまうと舌の粘膜を傷付けるだけでなく、舌が乾燥状態になってしまいます。そして、口臭が発生してしまう原因になるのです。

また、上記のケースとは逆に、「一度の舌磨きで満足してしまった」という方も多いです。
舌磨きの効果は、普通の歯磨きと同様に一時的な効果しかありません。
定期的に舌の汚れをリセットすることが大切です。

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【正しい舌磨きとは】
専用の舌ブラシや舌クリーナーを使い、何も付けずに、強く擦らず軽く当てるようにして手前にそっと動かしましょう。

歯並びに個人差があるように、舌にも個人差があります。舌磨きの効果は万人共通というわけではありません。

舌ブラシやクリーナーは色々な種類があるので、ご相談いただければご自身に合ったものをご提案させていただきたいと思っております。

歯科衛生士 花島奈都子

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