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アーカイブ: 11月 2022

ドライマウスを昆布のうま味で改善⁈

日に日に秋が深まり、紅葉も少しずつ色付いてきました。
早いもので今年も残すところあと2ヶ月となりましたね。
冬支度などに多忙な時期ですが、体調を崩さないようにお気を付けてお過ごしください。

近年、急激な高齢化を背景に味覚障害を訴える方が増えています。
高齢になると、食べ物の味を感じにくくなります。
味覚は、「甘味」「塩味」「苦味」「旨味」の5種類があります。
舌の先端では甘味、両側の手前では塩味、両側の後ろでは酸味、奥側では苦味、舌全体で旨味を感じます。

食べ物を口に入れると、舌の表面の部分にある味蕾(みらい)で味を感知し、大脳の味覚中枢へ信号として伝わり味を感じています。
また食べ物の香りや口に入れた時の触覚、熱いか冷たいかという温度によっても味を感じます。
加齢により個人差もありますが、「塩味」「甘味」の味覚が低下すると言われています。

味覚障害によって濃い味付けにしないと味が分からないため、食欲不振から栄養不足になってしまったり、塩分や糖分を取りすぎてしまい、高血圧や動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病に繋がる可能性が高くなります。

味覚障害の原因は

・服用薬の副作用
・栄養障害:亜鉛欠乏など
・心因性:ストレスなど
・口腔疾患:カンジダ、ヘルペスなど
・全身疾患:糖尿病、高血圧、腎疾患。悪性貧血など

がありますが、味覚障害を訴える方の94%に口腔症状が現れます。
味覚障害に対して歯科が関わる部分で最も高頻度なのは、唾液の分泌量が減って引き起こされるドライマウス(口の渇き)です。

唾液は

・食べ物を飲み込みやすくする
・消化しやすくする
・口臭や虫歯を防ぐ
・味を感じやすくする
・口を通して入ってくる細菌から体を守る

といった働きがあります。
この唾液分泌が何かしらの原因によって減少すると

・口が乾く
・味が感じにくくなる
・口臭が強くなる
・口の中がヒリヒリして痛い
・口の中がベタベタ、ネバネバする
・話しにくくなる
・食べ物が飲み込めなくなる
・虫歯や口内炎が出来やすくなる

といった症状が現れます。

ドライマウスを改善するためには、まず水分を細めに摂取して口の中を潤しましょう。
潤す効果のあるマウスウォッシュや口腔用の保湿ジェルや保湿スプレーも用いると良いです。

そして、唾液の分泌のリズムを取り戻すためにいくつかの方法もご紹介します。

・亜鉛の摂取
味蕾(みらい)の再生を促す亜鉛を多く含む牡蠣、レバー、卵黄、牛肉などがおすすめです。

・唾液の分泌を促すマッサージ
唾液腺マッサージも効果的です。
耳の下から頬に位置する耳下腺、顎のエラの内側の顎下腺、下顎の舌下腺を5~10回ほど優しく指でマッサージしましょう。

または粘膜ブラシを用いた口腔内の小唾液腺をマッサージ方法もあります。

・日常的に人と話すこと、唇や舌を動かすことでも唾液分泌が促されます

また、昆布出汁のうま味成分を用いた訓練方法もあります。
昆布出汁のうま味成分が舌の味蕾(みらい)細胞で味覚として感知されると、唾液反射が起こります。
うまみは後味が残るので、唾液反射が長く続くため、唾液の分泌を促進します。

昆布出汁作り方
細かく刻みを入れた昆布30g/500mlをペットボトルか水筒で作り、1日に10回程度、一回30秒間口をすすぎます。
なるべく長く口に含み、出汁を味わうことによって唾液の分泌を促してくれます。
毎日訓練することにより、2週間ほどで効果を実感できるようになります。

昆布出汁の味が苦手という方は、すこし酸っぱさを感じるくらいの濃度に希釈した
レモン水で同じように訓練してみてくださいね。
頑張ればきっと効果は現れます。

美味しく食事をすることは人生において大きな喜びであり、健康の基本です。
そのためには丈夫な歯、顎、そして正常な味覚は必要不可欠です。

少しでも気になる場合は診察を受け、担当の先生とよく相談してみてください。
疾患が原因の場合は適切な治療を受けるようにしましょう。

歯科医師  鈴木美緒

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